2014.3.4
no.36

欧州連合(EU)は二酸化硫黄及び亜硫酸塩類の使用基準を緩和

 2014年1月14日、EUは Commission Regulation No1333/2008の附属書Ⅱ(食品への使用が許可されている食品添加物とその使用基準)の一部を改正する旨発表(No59/2014)しました。発効は発表から20日後とされています。
 これにより、着香ワイン、着香ワインをベースとした飲料、着香ワイン製のカクテルについてE 220~E 228(二酸化硫黄及び亜硫酸塩類)を使用できるようになりました。
 ただし、漂白剤~酸化防止剤の使用には、注意すべき事が多々ありますので以下に述べさせていただきます。該当製品等を輸入の際はご留意ください。

   情報詳細は以下のURL参照  
    http://eur-lex.europa.eu/LexUriServ/LexUriServ.do?uri=OJ:L:2014:021:0009:0011:EN:PDF
 
   【改正内容】  
    改正された食品カテゴリー  
    着香ワイン
着香ワインをベースとした飲料
着香ワイン製のカクテル
 
       
   ・ 上記食品に使用が認められるようになった添加物  
    E 220 Sulphur dioxide 二酸化硫黄
E 221 Sodium sulphite 亜硫酸ナトリウム
E 222 Sodium hydrogen sulphite 亜硫酸水素ナトリウム
E 223 Sodium metabisulphite メタ重亜硫酸ナトリウム
E 224 Potassium metabisulphite メタ重亜硫酸カリウム
E 226 Calcium sulphite 亜硫酸カルシウム
E 227 Calcium hydrogen sulphite 亜硫酸水素カルシウム

E 228 Potassium hydrogen sulphite 亜硫酸水素カリウム
 
 
   ・ 使用基準:製品中の二酸化硫黄残留量として200㎎/㎏又は㎎/ℓまで許可  
       
   さて、これらの改正について、注意すべき点を以下に列記します。  
   1 上記8種の添加物の「日本での許可状況」の問題    
     食品衛生法上の指定添加物リストを参照しますと二酸化硫黄と亜硫酸ナトリウムしか見当たりませんので、他は禁止と思えますがそうではありません。実は亜硫酸水素ナトリウムとメタ重亜硫酸ナトリウムは「ピロ亜硫酸ナトリウム」の別名とされていますので使用は可能であり問題ありません。
 また、メタ重亜硫酸カリウムと亜硫酸水素カリウムも同様に「ピロ亜硫酸カリウム」の別名ですから同じく問題ありません。
 
ただし、E226とE227は日本では許可されておらず、使用された製品は輸入できませんので注意が必要です。
 
       
  【指定添加物リスト 規則別表1】  
    http://www.ffcr.or.jp/zaidan/MHWinfo.nsf/a11c0985ea3cb14b492567ec002041df/407593771b8750e94925690d0004c83e?OpenDocument   
       
   2 漂白~酸化防止のための二酸化硫黄及び亜硫酸塩の日本での使用基準(※日本では使用出来ないE226とE227を除く)  
     今回の食品カテゴリーであれば、食品衛生法では、果実酒又は雑酒として認められれば350㎎/㎏未満の基準ですので問題ありません。ただし、その他の食品に分類される場合には30㎎/㎏未満の基準となりますので注意が必要です。  
    ※その他の食品であって30㎎/㎏を超過する場合には、基準を逸脱していない原材料からの移行であり、製品に直接使用していない事を証明できない限り違反とされます。
 
  【添加物使用基準リスト】  
    http://www.ffcr.or.jp/zaidan/MHWinfo.nsf/a11c0985ea3cb14b492567ec002041df/980837ba5d9b0d28492575d6000785e6?OpenDocument  
     
   EUでは、ワインにのみ二酸化硫黄及び亜硫酸塩類の使用が認められていましたが、サングリアやベルモットのような着香ワイン類は、開封後長期に保存されるため、変色し易く、以前から二酸化硫黄等の使用の許可が望まれていました。
 2013年3月に申請された基準緩和について、ADIの設定は不要であるとされた事、基準の緩和による摂取量の増加が健康に影響しない他の結論から、法改正が認められることとなりました。
 最近の流行である缶入りカクテルのような軽いアルコール飲料等を含めて、新しい商品が多数出回ることが予想され、輸入検討の機会も増加すると思われますので、上記の2点を留意の上、充分に調査点検を行って下さい。
 
     
     



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