2014.12.15
no.39

食品、添加物等の規格基準について

 第23回輸入食品衛生管理者養成講習会が東京及び大阪にて開催され、本年度は145名の新管理者が誕生しました。質疑応答等非常に活発で、今後の活躍に期待が持てる真剣な受講状況でした。
 さて、休憩時間等に沢山質問を受けましたが、その際「規格基準」に関してご存知ない方がおられたのが少々気にかかりました。
 ご承知の通り「規格基準違反」は“輸入時の違反の過半数”を占める要件であり、もっとも重要な遵守事項ですので、おさらいの意味を含めて、すこし概略を述べたいと考えます。
     
  【食品、添加物等の規格基準とは】
食品衛生法第11条において「厚生労働大臣は・・・・販売の用に供する食品若しくは添加物の製造、加工、使用、調理の方法について基準・・・・を定めることができる。」とされており、これについて、昭和34年12月28日発出の「厚生省告示370号」が発布されています。食品等にまつわる事件、事案等がある度に、必要に応じて内容が改正され今日に至っていますが、ここに規格基準が定められている食品等については、示された基準等に合致したものでなければ違反とされますので、食品等は、その成分や、製法、保存の方法他についても注意・点検しなければなりません。
 
     
  【当該規格基準の構成と内容】
「食品」、「添加物」、「器具及び容器包装」、「おもちゃ」、「洗浄剤」の5部構成となっています。 
 
     
  【「食品」の部についての構成について】
A 食品一般の成分規格
B食品一般の製造、加工及び調理基準
C食品一般の保存基準
D 各条として23種の食品の成分規格、製造、加工、調理基準、保存基準が定められています。
 
  【A 食品一般の成分規格の概要】
12項目にわたって「抗生物質、合成の抗菌性物質、放射性物質、農薬等(農薬、飼料添加物及び動物用医薬品)、組換えDNA技術、放射性セシウム」についての規格基準が定められています。
 
  【B 食品一般の製造、加工、調理基準の概要】
9項目にわたって「放射線の利用時の決まり、生乳・生山羊乳・血液・血球・血漿・鶏の卵の利用時の殺菌の決まり、牛・牛の肝臓・魚介類・組換えDNA技術による微生物等の利用時の決まり」が定められています。
 
 
  【C 食品一般の保存基準の概要】
3項目にわたって「保存用の氷についての決まり、食品を保存する目的で抗生物質及び放射線を使用してはならない」とされています。
 
  【D 各条についての概要】
以下の23種の食品の成分規格、製造、加工、調理基準、保存基準が定められています
1清涼飲料水
2粉末清涼飲料
3氷雪
4氷菓
5食肉及び鯨肉(生食用食肉及び生食用冷凍鯨肉を除く。)
6生食用食肉(牛の食肉(内臓を除く。)であって、生食用として販売するものに限る。)
7食鳥卵
8血液、血球及び血漿
9食肉製品
10鯨肉製品
11魚肉ねり製品
12いくら、すじこ及びたらこ(スケトウダラの卵巣を塩蔵したものをいう。)
13ゆでだこ
14ゆでがに
15生食用鮮魚介類
16生食用かき
17寒天
18穀類、豆類及び野菜
19生あん
20豆腐
21即席めん類
22冷凍食品
23容器包装詰加圧加熱殺菌食品 
 
     
   例えば、輸入時の主な違反の1つである残留農薬の違反は、上記のAに定められた基準に抵触したものであり、冷凍食品の大腸菌群陽性の違反はDに定められた個別基準に抵触したものであると言うことですので、この法規の内容を知ることは大切です。食品の輸入に携わる者として「規格基準」は常識中の常識ですので、ぜひ一度全文をお読みください。  
  http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/jigyousya/shokuhin_kikaku/index.html  
    この他「乳及び乳製品の成分規格に関する省令(昭和26年12月24日 厚生省令第52号)」がありますので、こちらも一度目を通すことをお勧めします。  
  http://wwwhourei.mhlw.go.jp/cgi-bin/t_docframe.cgi?MODE=hourei&DMODE=CONTENTS&SMODE=NORMAL&KEYWORD=&EFSNO=810  
     



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