2015.8.18
no.41

中国検験検疫総局は2015年上半年の輸入食品の検疫結果を発表
 2015年7月30日 中国 国家質量監督検験検疫総局进出口食品安全局は「2015年上半年中国进口食品質量安全状況」として8ページの文書を発表しました。
 厚生労働省の「輸入食品監視指導結果」ほど詳細ではありませんが、珍しい報告書ですので、この機会にお伝えしたいと考えます。概要は以下の通り。
     
  (1) 輸入は急増している。  
   ・ 検疫所取扱の食品 55万2千件、重量 2035万2千トン、222億USドル  
   ・ 2005年と対比すると貿易総額は4.3倍となっており、年平均17.6%の増加となる。  
    ここでいう食品とは原料としての大豆や小麦及び飼料用トウモロコシは含まない。  
  (2) 取扱い国は拡大している。   
    ・ 2015年上半年では、179カ国・地域より輸入  
    トップ10は、EU、アセアン、アメリカ、ニュージーランド、ブラジル、オーストラリア、ロシア、カナダ、ウクライナ、韓国であり、全体の79.6%を占める。  
  (3) 輸入食品の分類について  
    ・ トップ10は油脂及び油糧穀物、乳製品、水産品及び水産加工品、肉類、穀物及び穀物製品、酒類、糖類、飲料、その他の加工食品、ナッツ類であり、全体の93.9%を占める。  
    中でも多いのは、植物油(340万トン)、粉乳(99万トン)である。  
  (4) 輸入窓口は集中している。  
    ・ 2015年上半年は、287の検疫所が稼働しているが、以下の10検疫所で全体の72.1%を占めている。  
    ・ トップ10は、上海、天津、青島、深圳、大連、広州、厦門、烟台、南通、北京  
   
  (1) 上半年の検疫結果  
    ・  57検疫所から基準不適合食品の報告があった。  
    ・ 不合格件数は1255件、4960トン、1452万USドル、((1)の55万件を輸入件数とすれば不合格率0.22%となる)   
    ・ 不合格件数は昨年同期比で12.3%減少した。   
    日本の中間報告は4月~9月末であるので〆期が異なるが「輸入件数114万件中の違反430件:違反率0.04%(平成26年度中間報告)」と比較すると約5倍である。   
  (2) 不合格食品について   
    ・ 不合格件数トップ10は、飲料、ケーキ及びビスケット、穀物及び穀物製品、糖類、その他の加工食品、水産品及び水産加工品、酒類、乳製品、調味料、ナッツで、全体の90%を占める。  
  (3) 不合格食品の輸出地について   
    ・ トップ10は、EU、台湾、アセアン、アメリカ、日本、韓国、カナダ、ノルウエー、ニュージーランド、オーストラリアで、全体の91.5%を占める。  
  (4) 不合格の主な原因について  
    ・ 10要因は、添加物、微生物汚染、品質不良、表示、証明書、汚染物質、許可証、包装、非食用添加物、不許可GMOで、全体の97.4%を占める。   
    安全衛生に係る違反が48%、非安全衛生に係る違反は43.6%  
   ・  不合格の原因で共通に多発するものは以下の通り  
    ①酸性紅(日本名食用赤106号)、安息香酸、ケイ酸アルミニウムナトリウムの使用:飲料、ケーキ及びビスケット、糖類   
    ②銅、鉄等の金属過量:酒類、穀物製品   
    ③リステリア、サルモネラ等の有害微生物汚染:水産物及び水産加工品  
     
  上記内容については棒線グラフによる個別数値も掲載されています。興味がありましたら以下のアドレスを参照ください。  
  http://jckspaqj.aqsiq.gov.cn/xwzx/xw/201507/t20150730_446103.htm  
     
  なお、「进境食品风险预警」として各月ごとの違反製品・違反理由・生産者他の情報も公表されていますので、以下のアドレスをご参照ください。  
  http://jckspaqj.aqsiq.gov.cn/   
     
     



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